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2022-12-02 楽しく運動で認知的フレイルを予防

 認知的フレイルは、身体的なフレイルと認知機能の低下(軽度認知障害や主観的な認知機能低下など)が併存する状態で(Kelaiditi et al., J Nutr Health Aging, 2013)、アルツハイマー病などの認知症の発症に関係する状態として注目されています。
 現時点で認知的フレイルの定義は議論の最中ですが、身体や認知機能の低下の両方に早期に気が付き、対応をとることが、健康な生活を維持するうえで重要なポイントでしょう。

 高齢者の生活の状況や健康状態を知るうえでは後期高齢者の質問票を使用することがあります。この15項目の質問の中では、2つの質問から認知機能の低下リスクを検討しています。
「周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われていますか」
「今日が何月何日かわからない時がありますか」
これらの質問に対して、1つでも気になる点があったときが、対策の取り時です。脳に刺激のある生活を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

例えば、
歩く機会を作る(1日今より+10分、理想は毎日20分)
 →歩くなどの運動時間を確保することは、全身の体力増強にもつながり、また脳の栄養因子を増やすことにつながります。
誰かと一緒に運動をする・歩く
 →人と一緒に運動をすることは、脳を総動員した活動です。運動しながら、現在の話題を話したり、お互いの以前からの変化に気がついたり、外の景色や匂いを楽しむ等、五感や記憶、感情を刺激します。定期的に集まって運動することがおすすめです。

 このように、運動を行うことは脳にも良い影響を与えますし、さらには生活習慣病の予防にもつながります。
 一方で、質問票の2つの質問に当てはまるからと言って、過度に心配することもありません。1時点よりも、その訴えが長期間(6か月間)続く場合に、転倒などの生活機能に影響があることが分かっています(Tanaka et al., Arch Gerontol Geriatr, 2022)。

認知症の有病率は日本においても減少しつつあります(Nishita et al., Arch Gerontol Geriatr, 2022)。この調子で脳や体に良い生活を心がけたいものです。

【執筆者】
田中繁弥(高崎健康福祉大学 保健医療学部 理学療法学科)

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