医療ソーシャルワーカー（メディカルソーシャルワーカー：通称MSW）は医療機関の中にいる社会福祉の専門職です。　

　普段は医療機関の「地域連携室」「医療相談室」等に所属しています。
主に、疾患発症に伴い発生する課題に対して、相談援助を行い社会資源や公的制度を活用する等、通院や入院療養生活を送る患者さんのサポートを行います。

　超高齢社会を迎えた我が国では、高齢な方が健康を維持するうえで医療機関とのつながりは重要です。私は病院で働く中で、体調不良をきっかけに受診したところ定期的な通院が必要になった方、術後の経過が良好でも入院に伴い身体機能が低下した方等、多くの高齢な患者さんと出会う機会があります。

　これまでの自身の生活を振り返りながら、これからどのようにして疾患や今の身体状況と付き合いながら人生を歩んでいくのか、時には家族や周囲の方々と意見を交えながら、ともに悩み、様々な感情のゆらぎの中で対話をしながら意思決定を行います。

　医療という非日常の場面ではありますが、その方の新たな人生の一歩に向けて関わらさせていただく、特別な仕事だと感じながら日々仕事に励んでいます。

【執筆者】
　高橋 紀貴（一般社団法 群馬県医療ソーシャルワーカー協会）