コラム
2019年からの新型コロナウイルスによって、社会活動の制約を余儀なくされました。この数年、国を挙げて『フレイル』の啓発や予防活動を進めてきましたが、すっかり影を潜めることになりました。この感染症対策の生活によって、フレイルが増える懸念があります。
本邦の平均的な統計では、フレイルは7.5%、その前身状態であるプレフレイルは48.1%と言われます。2020年、初めての緊急事態宣言下にあった高崎市で、多くの民生委員様や地域包括支援センター職員様の協力を頂き、約2,000人の地域高齢者を対象にフレイル予防啓発や調査を行いました。その結果、フレイルは8.8%、プレフレイルは52.1%であり、これらの増加が確認されました。また、その後の半年間でフレイル状態の悪化もみられております。
ですが、フレイルは適切な生活を送ることで改善を期待できるものです。そのために、いまフレイルの状態かどうか、あるいは今後のフレイルリスクを、ご自身および支援者が把握することが重要です。
先の高崎市での調査より、
●75歳以上であること
●足腰の力の弱りを自覚している
この両方に当てはまる場合、フレイルに移行する可能性が高いことが分かりました。
感染症対策のため、地域高齢者の方の状態を把握する方法は限られます。簡便な方法でフレイルのリスクを把握し、適切な支援につなげつつ、この新型コロナウイルスの影響を何とかやり過ごしたいものです。
執筆者 篠原智行(高崎健康福祉大学 保健医療学部 理学療法学科 准教授)
著 書
・Rapid response to: Covid-19: Japan prepares to extend state of emergency nationwide as “untraceable” cases soar. BMJ. 2020;369:m1543
・Did the number of older adults with frailty increase during the COVID-19 pandemic? A prospective cohort study in Japan. Eur Geriatr Med. 2021;12(5):1085-1089.
・Transition to frailty in older Japanese people during the coronavirus disease 2019 pandemic: a prospective cohort study. Arch Gerontol Geriatr. 2022;98:104562.
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