市民向け お知らせ
頭の中の処理や感じ方が特有である「発達障害」のある方については、「1人で悩まないで!『発達障害』について」や「発達障害のある方の感じ方!!」の記事で取り上げてきました。今回は、発達障害のある方とのかかわり方についてご紹介します。
発達障害の特徴は多岐にわたり、一概にまとめることは難しいです。たとえば、注意があちこちに向いてしまう方や、同時に複数の作業を行うことが難しい方など、人それぞれです。そのため「こうすれば必ずうまくいく」というような万能な方法は残念ながらありません。巷にあふれている発達障害に関する本は参考になりますが、実際には、ご本人にあったやり方を試行錯誤しながら探っていく必要があります。
それでも、「発達障害のある方との関わり方で、何かヒントはありますか?」という質問をいただくことがあります。その場合、私がおすすめするのは、ご本人の「強み」に注目することです。ここでいう「強み」とは、他の人と比べて「優れている」部分というよりも、その人自身にとって「得意」だったり「好き」だったりする部分を指します。例えば、「よく気がつく」「明確な目標があるとがんばれる」「ひとりだと黙々と作業できる」「毎日盆栽の手入れをする」など、人それぞれに異なる強みがあるはずです。
なぜ「強み」に注目するのでしょうか?それは、強みを活かすことで、苦手なことに対処できる可能性があるからです。たとえば、私のゼミに発達障害傾向のある学生がおりました。その学生は講義内容を理解できず困っておりました。理解しにくいときと理解しやすいときについて一緒に考えていくと、その学生は耳から聞いたことを理解することは苦手でしたが、文字だったら比較的理解しやすいことに気づきました。そこで、講義中の先生の話を録音し、文字起こしするようにしたところ、講義内容を理解できるようになりました。このように、「強み」に注目することで、発達障害のある方とのかかわり方や支援のアイデアが浮かんできます。
あまり難しく考えずに、ご本人ができていることや好きなことに注目してみてください。じっくり観察し、話し合うことで、ご本人特有の「強み」に気づくはずです。そうした強みを共有し、会話を重ねることで、発達障害のある方との関係が深まり、より良い関係も築けるでしょう。
【執筆者】
五十嵐一徳 准教授(高崎健康福祉大学 人間発達学部 子ども教育学科)
主に医療介護関係職種の方の相談をお受けしています。
相談への対応は看護師、社会福祉士がお答えします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~17:00 | ● | ● | ● | ● | ● | 休 | 休 |
027-395-0102
9:00 ~ 17:00
土、日、祝祭日、年末年始はお休みとなります。
ご相談は社会福祉士がお受けします。
〒370-0036 高崎市南大類町200-2 2階
高崎健康福祉大学訪問看護ステーション内
027-395-0102 027-395-0147