コラム
介護予防には、フレイル*1の予防が重要です。そして、フレイルの予防には、食事をしっかり摂って低栄養にならないようにすることがとても大切です。食事は単一の食品を食べるのではなく、さまざまな食品を食べる「食品摂取の多様性」がとても重要です。
そこで、合言葉は「さあ、にぎやか(に)いただく」です(図1)。
これは、「さ」は魚、「あ」は油、「に」は肉、「ぎ」は牛乳、「や」は野菜、「か」は海藻(/きのこ)、(に)「い」は芋、「た」は卵、「だ」は大豆、「く」は果物の頭文字をとって続けて読んだものです。これら10品目のうち毎日7品目以上を食べましょう。いろいろな食品を食べること(多様な食品摂取)で、栄養状態を良好に保つことができ、フレイルの予防につながります。
高齢者を対象とした疫学研究では、「食品摂取の多様性」をスコアにし、これら10品目(図1)をそれぞれ「ほぼ毎日たべる」は1点、「毎日食べない、ぜんぜん食べない」は0点として点数化すると、フレイルの人たちは4点未満、健康な人たちは4.5点以上でした。多様な食品、つまり魚・油・肉・牛乳・野菜・海藻/きのこ・芋・卵・大豆・果物の10品目のうち5品目以上を毎日食べることで健康を維持・改善でき、食品数が少ないと栄養状態が悪くなることがいえます。例えば、魚、油、肉、野菜、果物は毎日食べるようにする等です。毎日食べない食品もありますから、図1の10の食品群のうち目標7品目の食品を毎日食べるようにしましょう。
表を作って、食べた食品にチェックし、毎日何種類の食品を摂ったのか合計を確認してみましょう。どんな食品をよく食べるか、どんな食品をあまり食べていないか確認し、バランス良い食事を心がけましょう
*1 フレイルとは、「虚弱」を意味し、健康と要介護の中間の状態と定義されています。フレイルを予防することは要介護予防につながります。
執筆者 竹内真理(高崎健康福祉大学健康福祉学部健康栄養学科 准教授 管理栄養士)
連載(3か月に1回) 「介護予防のぴんころ飯」上毛新聞TAKATAI
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